amagaeruのひとりごと

〜オルガン×ベルサイユのばら 感想レポ〜

『オルガンZANMAI!』今年のテーマは”オルガンと時をめぐる”。

演奏プログラムは、鍵盤楽器最古の楽譜と言われる14世紀の音楽写本の曲から、21世紀 のJ・ウィリアムズ『スター・ウォーズ』に至るまで、何百年もの時間を行き来するものでした。


さて、今年の注目はなんといっても『オルガン×ベルサイユのばら』です。
1時間あまりの時間で、全40話分をどうやってまとめていくのか??
そこは、天下のサントリーホール主催プログラム。
プロフェッショナルの皆様が全力で作り上げた、非常にクオリティの高いコンサートでした。



主題歌の『薔薇は美しく散る』は、言わずと知れた名曲なので、今でもTV番組などで耳にする機会があります。

ごく稀に、馬飼野先生の”アニばらBGM曲”も 効果音で使用されることがありますが、実際の”演奏”となると ほぼ実例は無いでしょう。

今回は ”アニばら”にスポットライトを当て、オルガン編曲による 楽曲の生演奏という新しいジャンルへの挑戦です。

事前の告知から、アニメのセリフに合わせたBGMになると思っていましたが、実際は予想外の選曲でした!😆💦

軸になっていたのは、《音楽集》(右・1979年初版)の楽曲。
イメージソングをメインに、BGMとクラシック曲を織り交ぜた構成でした。

このアルバムは 何度も再販されていますが、よほどのファンでなければ、存在すら知らないのでは?(音盤については、いずれ解説いたします)

イメージソングはアニメ本編では全く使用されていませんし、「千の誓いがいるか万の誓いが欲しいか」は、アニメには無いセリフなのです。

ところが、今回はこれらを採用。

アニメ脚本のセリフと、七海さんの宝塚らしい演技、原作セリフドラマが加わり、新しいベルばら世界が誕生しました〜☆*:. o(≧▽≦)o .:*☆

ありがたいことに、こちらの公演は 期間限定アーカイブ配信がありました。
できれば、DVDや動画販売をしていただきたいくらい、素晴らしい演奏でした✨

当日は、内容をメモ書きすることに必死でしたが、配信を何十回もリピート視聴いたしまして、詳細な記録をとることができました😊💕🙏

まずは、事前に公開された演奏の様子をご覧ください。

オリジナルのイメージを損なわず、パイプオルガンらしい編曲で、一気にアニばらの世界へ!!

オルガニストの原田さんは、ベルサイユ宮殿でのオルガン演奏経験もあり、
普段は、コンサート活動や教会の礼拝で奏楽をつとめていらっしゃるそうです。

公演当日は、ライトブラウンに染めた巻き髪をピンクのリボンで飾り、オーガンジーのロングケープ と、上品で可愛らしい印象でした。
ところが演奏が始まると、ダイナミックで高度な演奏技術にただ驚くばかり!
(指やペダルの運びは配信映像で見ることができました)

公演後のトークショーでは、「”ベルばら”は大きな挑戦でした」とおっしゃいました。
古楽から現代曲まで、曲調も様々な楽曲を 1時間以上をお一人で弾かれ、
体力、表現力、技術力の高さ、本当に素晴らしいオルガニストでいらっしゃいます。


今回、編曲やレジストレーション(音色選び)にも並々ならぬこだわりを感じました。
原曲で使用されている楽器のイメージを大事にしてくださったのだと思います。
音色だけでなく、細かいコード進行や装飾音も配慮されていました。


朗読劇は一人4役もこなす、七海ひろきさん!(私も当時の宙組公演を観劇しております)
宝塚の俳優さんが 舞台で朗読されるということは、セリフは舞台調になるものです。
ましてやベルばらですから。それを期待されてのキャスティングでしょう。

アニメ本編から抜書きされたセリフも、
宝塚調になると こんなに情景が変わってみえるのかと驚きました。

最後の『情熱の紅いばら』のセリフは、ヅカばらにあるセリフですから、
一層 宝塚らしくなって当然だと思います。

私は、田島さんと志垣さんの抑えた自然なセリフと呼吸が”アニばららしさ”だと感じるので、
舞台の発声に違和感を覚えましたが、
舞台映えする演出として必要だったのでしょう。


七海さんのアントワネット様、とても良かったです!!
可愛らしさと威厳に満ちて。娘役も素敵ですね。
それにフェルゼン役もぴったりはまっていました。

1時間をお一人で演じ、椅子一つが置かれただけの舞台を、
時には宮殿に、時にはパリの街に見せてもらいました。

最後は涙を流されての熱演ありがとうございました╰(*´︶`*)╯



配信は終了しましたが、
公演の様子がわかる動画なので、ぜひご覧くださいませ💕